一般的に乳幼児は、さまざまな感染症にかかりやすいものです。特に、保育園は毎日長時間にわたり集団生活をします。お昼寝や食事・集団での遊びなど他の園児との接触する機会が多く、感染症にかかった状態で登園した場合、飛沫感染や接触感染が避けられません。また、正しいマスクの装着・適切な手洗い、物品を衛生的に取り扱うなどといった基本的な衛生対策が十分に出来ない年齢だからです。
さらに、特に乳児(1歳未満)には、以下のような特性があります。
・感染症にかかりやすい。
→母親から胎盤をとおしてもらっていた免疫が生後数か月以降に減り始めるため。
・呼吸困難に陥りやすい。
→大人に比べて鼻孔が狭く、気道も細いため、風邪などで粘膜が腫れると息苦しくなりやすい。
・脱水症状を起こしやすい。
→乳児は、年長児や大人と比べて、体内の水分量が多く1日に必要とする体重あたりの水分量も多い。発熱、嘔吐、下痢などによって体内の水分を失ったり、咳や鼻水等で哺乳量や水分補給が低下すると脱水になりやすい。
以上の点から、万一子どもさんが伝染性のある感染症に罹った場合には、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」及び学校保健安全法等に基づき保育園を休んでもらうこともあります。
特に次のような状況の時は、子どもさんにとって集団での活動は適切でないと考えます。その為、お家で静かに過ごされることをおすすめします。感染拡大しない為にも、状況により病院受診を考慮してください。
1.発熱している場合
(どんな様子や状況か)
- 朝から37.5℃を超えた熱とともに元気がなく機嫌が悪い。
- 食欲がなく朝食・水分が摂れていない。
- 24時間以内に解熱剤を使用している。
- 24時間以内に38.0℃以上の熱が出ていた。
※1歳以下の場合は以下も注意
- 平熱よりも1℃以上高い時
(いつまで休ませるか)期間と同日の回復期間が必要
2.下痢を起こしている場合
(どんな様子や症状か)
- 24時間以内に2回以上、水のような便をしている。
- 食事や水分を摂ると、下痢をする。
- 下痢に伴い、体温がいつもより高め。
- 朝、排尿がない。
- 機嫌が悪く、元気がない。
- 顔色が悪くてぐったりしている。
(家庭で出来ること)
- 消化吸収のよい、お粥・野菜スープ・煮込みうどん(短くきざむ)等を少量ずつゆっくり食べさせる。
- 適切な水分と経口補水液の補給(医師の指示により使用のこと)
- 下痢の時に食べさせてはいけない食べ物
脂っこい料理や糖分を多く含む料理やお菓子
香辛料の多い料理や食物繊維を多く含む食事
(例)ジュース・アイスクリーム・牛乳・ヨーグルト・肉・脂肪分の多い魚や芋類
ごぼう・海草・豆類・乾物・カステラ
3.嘔吐をする場合
(どんな様子や状況か)
- 24時間以内に2回以上の嘔吐をしている。
- 嘔吐に伴い、いつもより体温が高めである。
- 食欲がなく、水分もほしがらない。
- 機嫌が悪く、元気がない。
- 顔色が悪くぐったりしている。
4.咳をする場合
(どんな様子や状況か)
- 夜間にしばしば咳のために起きる。
- 咳からゼイゼイ・ヒューヒューという音がする。苦しそうに呼吸している。
- 呼吸が速い。
- 37.5℃以上の熱を伴っている。
- 元気がなく朝食・水分が摂れない。
- 少し動いただけでも咳がでる。
5.発疹がてている場合
- 発熱とともに発疹のある時。
- 今までなかった発疹が出て、感染症が疑われ、医師からも登園を控えるよう指示された時。
- 口内炎のために食事が摂れない時。
- とびひで患部を覆えない時。
浸出液が多く他児への感染のおそれがある時。
かゆみが強く手で患部をかいてしまう時。